1つは通常のFIシステムでインジェクターが配置されているスロットルバルブの下流側に、もう1つはスロットルバルブの上流側、エアボックスの近くに配置されています。2つのインジェクターは、それぞれ異なる回転域で作動することで、低回転域でのスムーズで瞬発力のあるレスポンスと高回転域での高いピークパワーの両方を確保するという役割分担をしています。発進時の瞬発力やコーナリング時の正確な制御など、低回転域での動作が求められる場合は、下流側のインジェクターが主役となります。燃焼室に近い位置にあるため、噴霧された燃料を素早くエンジンに供給でき、鋭いレスポンスが得られます。逆に、高出力を優先する場合は、高回転域を重視する上流側インジェクターに主役の座を譲ります。燃焼室から離れた位置にあるため、燃料の移動時間が長くなります。そのため、燃料粒子と空気が混ざり合う時間が長くなり、混合気の冷却と凝縮が可能になります。このため、より大きなパワーが必要なときに、シリンダー内に高品質の混合気を大量に充填することができます。

モトクロスレースでは良いスタートダッシュが重要で、コンマ数秒の差がホールショットを奪うかどうかが決まります。
スタートの急発進は滑りやすいため、クラッチとスロットルの正確なコントロールが要求されます。

ローンチコントロールモードは、エンジンマネージメントで、高度なテクニックが要求されるスタートをサポートします。AMAスーパークロスやモトクロス選手権で活躍するカワサキワークスマシンから、量産型モトクロッサーKX450Fにフィードバックした、エンジン特性をスタート専用に切り替えるシステムです。

ハンドルバーにあるボタンを押すだけで、ローンチコントロールモードが起動します。ローンチコントロールマップは、点火時期をわずかに遅らせることで、エンジンの強いトルクを抑え、発進時のホイールスピンを低減します。発進後の最初の2速でのみ有効で、3速にシフトすると自動的に解除され、標準のエンジンマップに戻ります。このシステムにより、ライダーは大きなアドバンテージを得ることができます。

適切なフィット感は、ライダーの快適性とコントロール性の鍵です。しかし、理想的なフィット感は、ライダーの体格やライディングスタイルによって異なるものです。

ERGO-FITは、ライダーが理想的なライディングポジションを見つけられるように設計されたインターフェースシステムです。ハンドルバー、ステップ、シートなど、シャシーインターフェースの様々なポイントを、交換可能なパーツと位置調整可能なパーツの組み合わせで調整することができます。これにより、幅広い層のライダーが快適性とコントロール性を両立したライディングポジションを実現することができます。マシンとの一体感を感じながら、楽しさ、乗り応えを体感していただけます。

*アジャスタブルパーツとその調整範囲はモデルによって異なります。